構成等について
成立過程について
古事記 元明天皇の代、詔により太安万侶が阿礼の誦する所を筆録し、『古事記』を編んだとされている
編年=712年 日本最古の歴史書
日本書紀 編年=720年
編者=舎人親王
出雲国
風土記
713年に出された勅命に基づき、733年に完成。聖武天皇に奏上された。

編者:
最終筆録者 秋鹿(あいか)郡の神宅臣金太理(みやけのおみ・かなたり)
総責任者   国造で意宇(おう)郡の大領でもあった外正六位上・出雲臣広島
多治比真人県守
(? 732に山陰道の節度使として派遣されている。
その任期中、733に出雲風土記』が撰進されている)


編纂形式について
古事記 紀伝体
全3巻
上・中・下の全3巻
  上つ巻(序文 神話)
  中つ巻(初代から十五代応神天皇まで)
  下つ巻(第十六代仁徳天皇から三十三代推古天皇まで)
日本書紀 編年体
全30巻、系図1巻
出雲国
風土記
紀伝体



神代の内容について
別天津神(ことあまつがみ)
古事記 天之御中主神(あめのみなかぬし)
高御産巣日神(たかむすび)
神産巣日神(かみむすび)
宇摩志阿斯詞備比古遲神(うましあしかびひこぢ)
天之常立神(あめのとこたち)
日本書紀 国常立尊(くにのとこたちのみこと)
国狭槌尊(くにのさつちのみこと) 
豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)

叉は天御中主尊、高皇産霊神、神皇產靈尊
   可美葦芽彦舅尊
出雲国
風土記
記載なし


神世七代(かみのよななよ) 
古事記 国之常立神(くにのとこたち)
豐雲野神(とよくもの)
宇比地邇神(うひぢに)と妹須比智邇神(すひぢに)
角杙神(つのぐひ)と妹活杙神(いくぐひ)
意富斗能地神(おほとのぢ)と妹大斗乃辨神(おほとのべ)
於母蛇流神(おもだる)と妹阿夜詞志古泥神(あやかしこね)
伊邪那岐神と伊邪那美神男女の神、夫婦
日本書紀 国常立尊(くにのとこたちのみこと)
国狭槌尊(くにのさつちのみこと)
豊斟渟尊(とよぐもぬのみこと)
泥土煮尊(うひじに)、沙土煮尊(すひじに)
大戸之道尊(おほとのじ)、大苫辺尊(おおとのべ)
面足尊(おもだる)、吾屋惶根尊(あやかしこね)
伊弉諾尊(いざなぎ)、伊弉冊尊(いざなみ)


三貴子(みはしらのうずのみこ)
古事記 天照大御神
月読命
建速須佐之男命
日本書紀 天照大神  (または大日孁尊)
月弓尊    (または月夜見尊)
素戔鳴尊


黄泉比良坂(よもつひらさか)
古事記 出雲の東
日本書紀 記載なし 日本書紀には黄泉国説話が述べられておらず、「黄泉国」という用語も存在しない。
出雲国
風土記
出雲の北西
参考資料  「出雲からたどる古代日本の謎」 (青春出版 2003年 瀧音能之著 P41-P48)

須佐之男命の名前についてについて
古事記 須佐之男命 須佐之男命=須佐の男
日本書紀 素戔嗚尊 素戔嗚尊=素(みすぼらしく)、戔(きずつき)、嗚(泣く人)。
ある意味において蔑称。
しかし「尊」は皇族にしか使わない尊称。
出雲国
風土記
神須佐能袁命 須佐能袁命=須佐の能力のある人


須佐之男命の事績について
古事記 新羅に渡ったエピソードの記述なし。
日本書紀 異説で、須佐之男命はまず新羅の国へ下り、それからたくさんの樹木の種を携えて、息子の五十猛尊とともに土船に乗って、出雲にやってきた。
出雲国
風土記
ほとんど記載なし 地元ではスサノヲが新羅からの渡来神であるとの伝承が多くあった。
だが、新羅が敵国である当時は、中央政府に配慮して故意に記述しなかった可能性も捨てきれないという。


須佐之男命の降臨地
古事記 故所避追而。降出雲國之肥(上)河上在鳥髮地
「かれやらはえて、出雲の国の肥の河上、名は鳥髪という地に下りましき」

豊原中つ国にある出雲の鳥髪山(現;船通山)へ降ったスサノオは、その地を荒らしていた八岐大蛇(八俣遠呂智)を退治した。
日本書紀 第八段一書第一
「一書曰。素戔鳴尊自天而降到於出雲簸之川上」

天から追放されたスサノオは、新羅の曽尸茂梨(そしもり)に降り、息子の五十猛神(イソタケル)と共に土船で東に渡り出雲国簸の川の川上の鳥上の峰へ到った。
その後、八岐大蛇を退治した。
出雲国
風土記


大穴持命と須佐之男命との関係について
古事記 六世の子孫 須佐之男命の六世の子孫
日本書紀 須佐之男命と奇稲田姫の間に生まれた。
出雲国
風土記
関係なし 大穴持命との血縁関係は伺えない。
宗像三女神
古事記 沖ノ島の沖津宮
   多紀理毘売命(たきりびめ)
   別名 奥津島比売命(おきつしまひめ)
大島の中津宮
   市寸島比売命(いちきしまひめ)
   別名 狭依毘売(さよりびめ)
田島の辺津宮(へつみや)
   多岐都比売命(たぎつひめ)
日本書紀 沖津宮 - 田心姫(たごりひめ)
中津宮 - 湍津姫(たぎつひめ)
辺津宮 - 市杵嶋姫(いちきしまひめ)



神武天皇以降の内容について
長髄彦
神武天皇の軍勢


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日本書紀、古事記、出雲風土記の違いについて