1:尾張国の神社
熱田神宮
  所在地
愛知県名古屋市熱田区神宮1-1-1

社格
式内社(名神大) 官幣大社 勅祭社 別表神社

祭神
主祭神=熱田大神(天叢雲剣)
配祠=  天照大神、素盞嗚尊、日本武尊、宮簀媛命(みやすひめのみこと)、建稲種命(たけいなだねのみこと)

歴史
第12代景行天皇の時代、日本武尊が東国平定の帰路に尾張へ滞在した際に、尾張国造乎止与命(おとよのみこと)の娘・宮簀媛命と結婚し、草薙剣を妃の手許へ留め置いた。
日本武尊が伊勢国能褒野(のぼの)で亡くなると、宮簀媛命は熱田に社地を定め、剣を奉斎鎮守したのが始まりと言われる。
そのため、三種の神器のうち草薙剣は熱田に置かれ、伊勢神宮に次いで権威ある神社として栄えることとなった。

補足−1
熱田大神とは草薙剣の神霊のこととされるが、明治以降の熱田神宮や明治政府の見解では、熱田大神は草薙剣を御神体とする天照大神のことであるとしている。
しかし、創建の経緯などからすると日本武尊と非常にかかわりの深い神社であり、熱田大神は日本武尊のことであるとする説も根強い。

補足−2
平安時代後期に定められた一宮において、尾張国の一宮は真清田神社、熱田神宮は三宮とされた。
これについては諸説があり、井上寛司は熱田神宮は当初別格として扱われていたことや真清田神社側の積極的な働きかけがあったことが原因になったとする説を、上島享は当初は一宮の格式を持っていたものの、後に国衙と熱田神宮の対立が影響して一宮の交替が起きたとする説を出している。
いずれにしても、平安時代末期(12世紀後期)に一宮を中心とした国内の神社の秩序が確立される中で、熱田神宮は三宮として位置づけられることになり、熱田神宮は「鎮守三社」などの表現を用いて自らを三宮と称するのを避けたという。





2:甲斐国の神社
甲斐国一宮 浅間(あさま)神社
所在地
山梨県笛吹市一宮町一宮1684

社格
甲斐国一宮。旧社格は国幣中社で、現在は神社本庁の別表神社。

祭神
木花開耶姫命 (このはなさくやひめのみこと)

歴史
垂仁天皇8年正月に神山の麓(現 摂社山宮神社)で創建され、貞観7年(865年)旧暦12月9日現在地に遷座したという。
『日本三代実録』によれば、貞観6年(864年)の富士山の大噴火を受けて甲斐国でも浅間神を祀ることになり、翌貞観7年(865年)12月9日(旧暦)に甲斐国八代郡に浅間神社を建てて官社としたとある。その後、山梨郡にも同様に浅間神社を建てたとも記す。

補足
このことから、当社は「後に山梨郡に建てられた浅間神社」であるとする説が有力であるが、創建時は当地が八代郡内で「最初に八代郡に建てられた浅間神社」である可能性もある。


3:信濃国の神社
信濃国一宮  諏訪大社

 
所在地
上社本宮:長野県諏訪市中洲宮山1
上社前宮:長野県茅野市宮川2030
下社春宮:長野県諏訪郡下諏訪町193
下社秋宮:長野県諏訪郡下諏訪町5828

社格
名神大社 信濃国一宮 正一位 官幣大社 別表神社

祭神
上社:建御名方命・八坂刀売命
下社:建御名方命・八坂刀売命・八重事代主神

歴史
創建年代不詳(国内にある最も古い神社の一つとされている)
記紀神話が伝えるところでは、天照大神の孫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の降臨に先立ち、武甕槌命(たけみかづちのみこと)が、出雲を支配していた大国主命に国譲り、つまり出雲王朝の支配権を譲渡するように迫ったという。
これに対して、大国主の長男である建御名方命が、国譲りに反対し、武甕槌命と相撲をしたが負けてしまった。
そこで建御名方命は諏訪まで逃れ、その地で王国を築いたという。
諏訪大社の起源は、この神話にあるといわれている。

補足
長野県の諏訪湖の周辺に4箇所の境内地をもつ。

諏訪大社 上社本宮


諏訪大社 上社前宮 


諏訪湖

 
諏訪大社 下社春宮 



諏訪大社 下社秋宮



穂高神社

所在地
本宮 長野県安曇野市穂高6079
奥宮 長野県松本市安曇上高地

社格
名神大、国幣小社、別表神社

祭神
本宮:穂高見神 (別名=宇都志日金析命 うつしひかなさくのみこと)
   :綿津見神、瓊瓊杵神、天照大御神、安曇連比羅夫命、信濃中将(御伽草子のものぐさ太郎のモデルとされる)
奥宮:穂高見神

歴史
主神穂高見命は、別名宇津志日金折命(うつくしかなさくのみこと)と称し、海神の御子で神武天皇の叔父神に当たり、太古此の地に降臨して信濃国の開発に大功を樹られたと伝えられる。

補足
信濃国(長野県)に海は無いが、主神といえる本宮中殿に座する穂高見神と綿津見神は共に海人族である阿曇氏の祖神とされる海神であり、安曇野に定着した安曇氏と神社との関係が現れている。



参考資料
「神社辞典」(東京堂出版)  
 
ウキペディア 「神社一覧」


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